デンキ屋の独語(ひとりがたり)

本業電気屋。趣味や関心のある事についてのひとり語り。あくまで個人の想いであり批評や批判ではありません。

映画

「ゴジラ-1.0」はゴジラ映画と呼ぶべきなのか

特撮としてのゴジラ 84年版「ゴジラ」で初代の系譜に戻ってからも度々新作は制作されたが、特撮映画として以上には評価されることはなく、あくまでも特撮ファン層向けの映画として扱われる様になっていた。 私自身、84年版以降は劇場で観ることはほぼ無くな…

「ゴジラ-1.0」を語る前にゴジラ映画に感じていたこと

「ゴジラ」が良くも悪くも象徴である理由 「ゴジラ」は良くも悪くも日本を代表する「怪獣」の代名詞であり、日本特撮の象徴と言える存在なのではないだろうか。 恐竜を思わせる風貌だが耳もあり、どこを見ているのか判らない無機質な眼。 完全な直立で歩行し…

「君はどう生きるか」は今、観るべきか

宮「﨑」 駿の「君はどう生きるか」 「君はどう生きるか」を観てきた。宮﨑駿(今回「さき」の漢字は「崎」ではなく「﨑」の方らしい)の今度こそ最後の作品では?とも言われる作品だ。 今回は内容については殆ど触れていない。この作品の特殊な状況について…

「特撮」から抜け出せなかった「シン・仮面ライダー」

特撮作品の悪癖 前回、「シン・仮面ライダー」を観た時に改めて特撮作品の現実を感じた事について触れた。「特撮」映画は、良くも悪くも独特の雰囲気を持ったジャンルである。 元々子供向けテレビ番組で発展してきた事もあり「特撮」はミニチュアや着ぐるみ…

「シン・仮面ライダー」を観て改めて感じた特撮の現実

「特撮」は子供向けの作品なのか 最初に断っておくが、今回「シン・仮面ライダー」については殆ど触れていない。あくまでも「シン・仮面ライダー」を観て改めて感じた「特撮」映画の現状について思った事である。ここで私の言う「特撮」とは、CGに全てを頼ら…

万人向けの作品でも毒は吐く「すずめの戸締まり」

非常に周りに気を使った作品「すずめの戸締まり」 今回、カミさんが珍しく観たいということで「すずめの戸締まり」を早々に観に行くことに。 アニメ映画作品はジブリ作品やディズニー等の海外CG作品に限られており、しかも周りの評判で観に行くかどうか決め…

観客を喜ばせる事に徹した名作「トップガン マーベリック」

「トップガン 」に対するリスペクトと制作陣のこだわり 最初の予定から3年位待たされてようやく封切られた「トップガン マーヴェリック」。 最初の「トップガン」から実に36年越しの続編である。 主演のトム・クルーズと言えば、当時はどちらかと言えばアイ…

映画「天気の子」を語る

放送のタイミング悪すぎたか 今回は先日TVで放送された「天気の子」を語りたいと思う。 その時の視聴率が8%台だったとの事で期待外れという話もあったようだが、あれはあまりに放送のタイミングが悪すぎた。 1月3日の夜に映画のような長丁場なコンテンツ、し…

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編を語る(4)

劇場版で改めて感じるクオリティ さて、ようやく劇場版の話である。 私がもたもたしている間に歴代興行収入は遂に「千と千尋の神隠し」を抜きトップに躍り出てしまった。アニメとしての完成度の高さについてはこれまででほぼ語り尽くした感はあるが、少し話…

映画「ワンダーウーマン1984」を語る

不遇のヒーロー「ワンダーウーマン」 このところのコロナ渦で映画の封切りが中止や遅延する事態となって、結果「鬼滅の刃」がひとり勝ちとなっていたが、ようやく洋画が封切られた。しかもあの「ワンダーウーマン」の続編である。だが残念ながら、やはりこの…

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編を語る(3)

TVアニメとしての「鬼滅の刃」の凄さ 私がアニメ版の放送を観たのは原作を2巻まで読んでしばらくしてからだが、失礼ながら原作の事をすっかり忘れていて全くの初見のつもりで観始め、とにかく驚いた。 とにかく初っ端からそのクオリティの高さに度肝を抜かれ…

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編を語る(2)

原作漫画の不思議な世界観 さて、今回は内容について私が感じた事を語るわけだが、まずは原作である漫画から語って行きたい。但し、前回語った通り私は原作はアニメ化された部分、つまり8巻までしか読んでいない。 当然、後半の展開も前半の布石がどのように…

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編を語る(1)

この異常な熱狂ぶりは? 「鬼滅の刃」が凄いことになっている。 再放送から火が付き様々な商品とコラボ、そして劇場版が封切られてからは興行収入の記録更新だの何だのと連日報道され、総理大臣まで「全集中」のセリフを引用するなど、正直私としてはドン引…

映画「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を語る(3)

京都アニメーション作品は意外にあざとい ここまでTVシリーズを含めた「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」について語ってきた。 細部まで作り込まれた内容のため、ここまでその完成度やストーリーに関する真面目な感想ばかりが中心になったが、少しだけぶ…

映画「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を語る(2)

そして劇場版へ前回TVシリーズを中心に内容について触れたが、今回は劇場版を中心に語っていきたい。 ネタバレもあるので一応注意して頂きたい。ただ、予告編や動画等である程度結末については予想出来るし、そして恐らくは誰もが予想した通りの結末である。…

映画「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を語る(1)

TVシリーズも含めた完成度の高いアニメ作品 映画「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は、その名の通り2018年に京都アニメーションにより制作、放送された同名のTVアニメ作品の劇場版だ。 劇場版とは言っても事実上TVシリーズの続編であり、そして最…

映画「スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け」を語る

重い鎖に縛られた映画「スターウォーズ」 最初の「スターウォーズ 新たなる希望」から40年かけてついに完結したスターウォーズシリーズ。いや、まだ続く可能性はあるのでここではひとまずの完結と言うべきか。思えば1978年の公開からの全てのエピソード、更…

映画「メイド イン アビス 深き魂の黎明」を語る(2)

ナナチの登場により更に深まる心情描写 TVシリーズの終盤に登場するナナチはアビス深層の影響で獣人のような異形と化した少女である。 彼女は見た目こそ異形だが、アビス深層の知識を持ち、無鉄砲な主人公達の旅にようやく計画性と道程をもたらす重要キャラ…

映画「メイド イン アビス 深き魂の黎明」を語る

その前にTVシリーズ「メイドインアビス」を語る 「メイドインアビス 深き魂の黎明」は2017年に放送されたTVシリーズの続編である。 一応以前にTVシリーズの総集編を放映したらしいが、とにかくこの作品はTVシリーズを見た前提での映画なので、まずはそこから…

映画「空の青さを知る人よ」を語る

最近、アニメ映画をよく観るようになった。 もちろん、ピクサーやディズニーのCGアニメやジブリに代表されるいわゆる親子で観れる名作と呼ばれるものは大分敷居は低くなったが、それでも50過ぎのオジサンが1人でアニメを観る画というのまだまだ違和感を感じ…