デンキ屋の独語(ひとりがたり)

本業電気屋。趣味や関心のある事についてのひとり語り。あくまで個人の想いであり批評や批判ではありません。

「ゴジラ-1.0」はゴジラ映画と呼ぶべきなのか

特撮としてのゴジラ 84年版「ゴジラ」で初代の系譜に戻ってからも度々新作は制作されたが、特撮映画として以上には評価されることはなく、あくまでも特撮ファン層向けの映画として扱われる様になっていた。 私自身、84年版以降は劇場で観ることはほぼ無くな…

「ゴジラ-1.0」を語る前にゴジラ映画に感じていたこと

「ゴジラ」が良くも悪くも象徴である理由 「ゴジラ」は良くも悪くも日本を代表する「怪獣」の代名詞であり、日本特撮の象徴と言える存在なのではないだろうか。 恐竜を思わせる風貌だが耳もあり、どこを見ているのか判らない無機質な眼。 完全な直立で歩行し…

もうそろそろ「君はどう生きるか」について触れても良いだろうか

ようやくパンフレットも発売され、いくつかシーンも公開されたようなので内容についての感想に少し触れたい。ただし極力ネタバレはしないようにした。今回、改めて感じたのは情報を一切開示しないまま公開したのは単なる宣伝戦略だけではなく、作品の内容的…

「君はどう生きるか」は今、観るべきか

宮「﨑」 駿の「君はどう生きるか」 「君はどう生きるか」を観てきた。宮﨑駿(今回「さき」の漢字は「崎」ではなく「﨑」の方らしい)の今度こそ最後の作品では?とも言われる作品だ。 今回は内容については殆ど触れていない。この作品の特殊な状況について…

良く出来ているのに何故評価が低い?「ザ・フラッシュ」

「フラッシュ」って知ってる? コロナ禍がようやく終焉を迎えた感がある中、ここに来て立て続けに話題作が公開されて嬉しい限りではあるが、集中し過ぎで全部観きれないのは勘弁して欲しいところだ。そんな中、ようやく封切られたのがDCコミック発のアメコミ…

いつもと趣向を変えて久留米ラーメンのお話

私にとってのラーメン 私は福岡県久留米市の外れの出身なのだが、地元ではラーメンといえば当然豚骨の久留米ラーメンである。 いきなり個人的な話からになるが、私は子供の頃豚骨ラーメン以外のラーメンを見たことが無かった。 ラーメン店のスープは全て普通…

「特撮」から抜け出せなかった「シン・仮面ライダー」

特撮作品の悪癖 前回、「シン・仮面ライダー」を観た時に改めて特撮作品の現実を感じた事について触れた。「特撮」映画は、良くも悪くも独特の雰囲気を持ったジャンルである。 元々子供向けテレビ番組で発展してきた事もあり「特撮」はミニチュアや着ぐるみ…

「シン・仮面ライダー」を観て改めて感じた特撮の現実

「特撮」は子供向けの作品なのか 最初に断っておくが、今回「シン・仮面ライダー」については殆ど触れていない。あくまでも「シン・仮面ライダー」を観て改めて感じた「特撮」映画の現状について思った事である。ここで私の言う「特撮」とは、CGに全てを頼ら…

原作版についてもう少し、「うる星やつら」を語る(2)

原作「うる星やつら」の思い出 前回「うる星やつら」に触れたところなので、連載当時リアルタイムで読んでいた頃の印象などについてもう少し詳しく触れておきたい。ここから先はあくまで私が当時読んでいた時の記憶による主観なのでかなり偏りのある内容であ…

今回は原作に忠実すぎるアニメリメイク「うる星やつら」

今回のアニメ化でここまで原作通りなのは何故? 2022年にあの「うる星やつら」が新作アニメとしてリメイクされ、放送を開始してから1クールが経過した。 リメイクの発表があった時には少なからず驚かされたが、現在ではかなり珍しい4クール制作が確定してい…

万人向けの作品でも毒は吐く「すずめの戸締まり」

非常に周りに気を使った作品「すずめの戸締まり」 今回、カミさんが珍しく観たいということで「すずめの戸締まり」を早々に観に行くことに。 アニメ映画作品はジブリ作品やディズニー等の海外CG作品に限られており、しかも周りの評判で観に行くかどうか決め…

観客を喜ばせる事に徹した名作「トップガン マーベリック」

「トップガン 」に対するリスペクトと制作陣のこだわり 最初の予定から3年位待たされてようやく封切られた「トップガン マーヴェリック」。 最初の「トップガン」から実に36年越しの続編である。 主演のトム・クルーズと言えば、当時はどちらかと言えばアイ…

庵野秀明自身は満足できたのか?「シン・ウルトラマン」を語る

「ウルトラマン」原体験 現代の日本人で「ウルトラマン」を全く知らない、という人はいないであろう。特に昭和40年生まれの私は生まれた時からウルトラマンと共に育って来たと言っても過言ではない。当時は夕方の時間帯は過去の子供向け番組が繰り返し再放送…

「竜とそばかすの姫」細田守作品の不思議(2)

映像の素晴らしさと噛み合わない細田守監督作品の不思議 今回細田守作品「時をかける少女」「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」についてのネタバレがあるのでご注意いただきたい。繰り返しにはなるが、細田守監督作品のアニメとし…

「竜とそばかすの姫」細田守作品の不思議(1)

少し長い前振り、凄いが評価が難しい細田守作品の不思議 私は余程細田守監督作品と縁がないのか、今回の「竜とそばかすの姫」と「バケモノの子」以外は劇場で観る機会がなかった。「時をかける少女」も、「サマーウォーズ」も「おおかみこどもの雨と雪」もテ…

実際トヨタのサブスクはあり?なし?「KINTO」を語る

今回は趣味の話ではなく先日利用を開始した「KINTO」について、実際に検討したメリット、デメリット、そして果たしてありなのかどうかという感想等を語りたいと思う。 「KINTO」とはなんぞや? 話題にはなっているが今ひとつ何なのかわかりにくいトヨタのサ…

本質は異世界あるあるコメディ?「葬送のフリーレン」を語る

正直意外な大賞受賞 週間少年サンデーで連載中の「葬送のフリーレン」(原作 山田鐘人、作画 アベツカサ)が漫画大賞2021で大賞を取ったという記事を読んだ。 ここ最近のサンデーの連載陣の中で注目していたのが「龍と苺」と、この「葬送のフリーレン」だった…

映画「天気の子」を語る

放送のタイミング悪すぎたか 今回は先日TVで放送された「天気の子」を語りたいと思う。 その時の視聴率が8%台だったとの事で期待外れという話もあったようだが、あれはあまりに放送のタイミングが悪すぎた。 1月3日の夜に映画のような長丁場なコンテンツ、し…

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編を語る(4)

劇場版で改めて感じるクオリティ さて、ようやく劇場版の話である。 私がもたもたしている間に歴代興行収入は遂に「千と千尋の神隠し」を抜きトップに躍り出てしまった。アニメとしての完成度の高さについてはこれまででほぼ語り尽くした感はあるが、少し話…

映画「ワンダーウーマン1984」を語る

不遇のヒーロー「ワンダーウーマン」 このところのコロナ渦で映画の封切りが中止や遅延する事態となって、結果「鬼滅の刃」がひとり勝ちとなっていたが、ようやく洋画が封切られた。しかもあの「ワンダーウーマン」の続編である。だが残念ながら、やはりこの…

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編を語る(3)

TVアニメとしての「鬼滅の刃」の凄さ 私がアニメ版の放送を観たのは原作を2巻まで読んでしばらくしてからだが、失礼ながら原作の事をすっかり忘れていて全くの初見のつもりで観始め、とにかく驚いた。 とにかく初っ端からそのクオリティの高さに度肝を抜かれ…

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編を語る(2)

原作漫画の不思議な世界観 さて、今回は内容について私が感じた事を語るわけだが、まずは原作である漫画から語って行きたい。但し、前回語った通り私は原作はアニメ化された部分、つまり8巻までしか読んでいない。 当然、後半の展開も前半の布石がどのように…

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編を語る(1)

この異常な熱狂ぶりは? 「鬼滅の刃」が凄いことになっている。 再放送から火が付き様々な商品とコラボ、そして劇場版が封切られてからは興行収入の記録更新だの何だのと連日報道され、総理大臣まで「全集中」のセリフを引用するなど、正直私としてはドン引…

映画「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を語る(3)

京都アニメーション作品は意外にあざとい ここまでTVシリーズを含めた「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」について語ってきた。 細部まで作り込まれた内容のため、ここまでその完成度やストーリーに関する真面目な感想ばかりが中心になったが、少しだけぶ…

映画「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を語る(2)

そして劇場版へ前回TVシリーズを中心に内容について触れたが、今回は劇場版を中心に語っていきたい。 ネタバレもあるので一応注意して頂きたい。ただ、予告編や動画等である程度結末については予想出来るし、そして恐らくは誰もが予想した通りの結末である。…

映画「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を語る(1)

TVシリーズも含めた完成度の高いアニメ作品 映画「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は、その名の通り2018年に京都アニメーションにより制作、放送された同名のTVアニメ作品の劇場版だ。 劇場版とは言っても事実上TVシリーズの続編であり、そして最…

「うる星やつら」を語る(1)

「ラブコメ」の確立 「週間少年サンデーを語る」でうる星やつらについて語り始めたら止まらなくなりそうだったので、別枠で語ることにした。例によって、勝手ながら先生方の敬称は省略させて頂いた。高橋留美子原作「うる星やつら」と言えば恐らく知らぬもの…

雑誌「週刊少年サンデー」を語る(1)

70年代後半~80年代前半の少年誌の変遷 今回は週間少年漫画雑誌という大雑把な括りだが、私の漫画に対する個人的な想いと共に語りたい。尚、文中の漫画家の先生方の敬称は勝手ながら省略させていただいた。私の週刊少年サンデーとの付き合いは非常に長い。 確…

映画「スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け」を語る

重い鎖に縛られた映画「スターウォーズ」 最初の「スターウォーズ 新たなる希望」から40年かけてついに完結したスターウォーズシリーズ。いや、まだ続く可能性はあるのでここではひとまずの完結と言うべきか。思えば1978年の公開からの全てのエピソード、更…

映画「メイド イン アビス 深き魂の黎明」を語る(2)

ナナチの登場により更に深まる心情描写 TVシリーズの終盤に登場するナナチはアビス深層の影響で獣人のような異形と化した少女である。 彼女は見た目こそ異形だが、アビス深層の知識を持ち、無鉄砲な主人公達の旅にようやく計画性と道程をもたらす重要キャラ…